宮島の鳥居に波は震えるの曲解説

この曲はタイトルの通り、宮島の鳥居からインスピレーションを得て作曲しました。御存知のように宮島は海の中に鳥居があり、[人間-海-神] がひとつにつながる世界を創出した独創的宗教建築です。それはルイ14世によるオルガン建造にも似ていますが、時代がさらに何百年も前のことです。その後の日本文化の源流を作ったともいえる、平清盛という天才の遺した偉大な文化財です。

チェロという楽器を選んだのは、チェロが人間のソプラノからバスまでの声域をすべてカバーする音域をもつことと、当時の琵琶に通じるものを感じることが理由です。

宮島では波が風によって振動し、その波が月の光にきらめいてふるえます。その波のふるえのように、琵琶の弦も振動してふるえ、チェロの弦もピッチカートにふるえます。そこには感動にふるえる、という心の振動もあります。また、ピッチカートだけでなくアルコにおいても、アクセンテュエーションやリズムに西洋とは違う要素を取り入れました。

2020年に向けて、宮島のような素晴らしい日本文化の遺産をもっと世界に知って欲しい、という願いをこめて、私はこの曲を完成いたしました。

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